過去のコラム(※旧志摩町長時代に広報志摩に掲載したものです。) 

2003年

 

 

■2000年

■2001年

■2002年

■2004年

 

  2月 如月

    梅も芽吹くこの季節、気温がゆるむとは言え、寒気のゆりもどしで、時折急な冷え込みが

   あります。如月の本来の意味は、草木が春を迎える準備に更生することを言うのですが、言

   葉のひびきにちなんで、一説には、寒さしのぎにもう一枚着物を重ねるというので、この二月

   を衣更着と言うそうですが、こちらの方がなんとなく納得してしまう解釈です。

    そこでよく似た事で、大気も心も同じで、心に不安とか心配事が懸念される時には、心に

   準備と用心と言う着物を、もう一枚重ね着することが大切であると思います。

    特に昨年の4月以来、私たちの志摩町とこの地域一帯が、東海地震防災対策強化地域に

   指定され、東海、南海、東南海地震のゆさぶりと津波の襲来が、近い将来発生するであろう

   と言うのが、確実にという言葉とともに色濃く予想されています。

    町としてはこのような突然の災害に備えて志摩町地域防災計画を策定し、内外共に対策

   と準備、そしてその改定と改良整備をしていますが、地震災害はいつ起こるかわからず、い

   ったん発生すると瞬時に地域一帯を襲うことから、その時点では住民はもちろん消防職員も

   役場職員も被災者となります。

    そんな中、即対応で急遽の対応と救援対策がとられるとは言え、災害救助のために、消

   防機能や役場機能が働くまでには少しの時間がかかります。

    そんな意味で災害初期にはそれぞれが自分自身と家族を守らなくてはいけませんし、そ

   の対応を余儀なくされます。またとり急いで近所の方々が助け合い、協力して難局を乗り越

   えることが求められます。

    そこで志摩町は、昨年から各地区で、いざという時の避難と助け合いのため、住民自身に

   よる自主防災会の立ち上げをお願いして、間崎、越賀、布施田、片田の4地区の皆様には

   自主防災会を作っていただきましたが、どうか今年は、残る地区での防災組織の立ち上げ

   をしていただきますと共に設立にご理解とご協力をお願いします。

    そして一番大切で重要なことは、町民お一人お一人が災害に備えての防災意識をつちか

   うと共に、自分の身は自分で守るという自主防衛と言う、心の防波堤を築いていただくこと

   です。

    どうかお家でも、この間お配りしました志摩町防災地図をはさんで、ご家族ご近所様で防

   災について真剣にお話し合いをいただければと思います。

 

  3月 桃の節句

    桜の便りも聞こえ、風も凛とさわやかにすがすがしい三月、子供たちが楽しみに待つ桃の

   節句が又やってきました。

    青い空のもと、時折おとずれる家で見させていただく雛人形は華麗で素敵だし、お店で見

   る桃の節句グッズははなやかでやさしい色合いと工夫で本当に見て楽しく、その向こう側に

   は、それを囲んでの、それぞれのお家での暖かい団欒と愛くるしい子供の優しさ、そして思

   いっきりの笑顔が見えてきそうです。

    桃の節句になぜお人形なのだろうと聞いてみると、これがなかなかにおごそかで、時は昔、

   平安時代に季節々々の節目に身の穢れをはらう災厄除けの行事の一つとして、この日、み

   やびとは野山で薬草を取り、それで体をはらい健康と厄除けを願ったそうです。

    それに当時のきせかえ人形遊びであった「ひいな遊び」とが融合して、いつしか子供の災

   厄を紙人形に身代わりさせ、川に流す「流し雛」となり、時は下り、室町時代にはその流し雛

   が、今のような華美な人形へと形を変えお雛様となり、そのお雛様を室内に飾りお祝いする

   ようになったそうです。

    そしてそれが室町時代のころには宮中行事から民間へと広がり、現在のひな祭りの原型と

   なり、今のひな祭りにと姿を変えてきたそうです。

    だから今でも女の子の豊かな成長と厄除けを、そして女の赤ちゃんの健やかな成長を祈る

   祭りになったと言うことです。

    そして今、児童虐待など悲しい事件をあらたに聞く現在、この様に長い日本文化の中で私

   たちが、子育ての中、やさしく子供をいつくしみ、怪我なく健康に成長をと願ってきた厳しくも

   優しいひな祭りなど、子供を大切にしたまつりとか、各地に残る素朴で人を大切にうやまう風

   習とか、こんな祭りを後世につなげ、大事にしていきたいものです。

 

  5月 越賀茶

    越賀茶の季節、新茶がおいしく飲める時期になりました。

   熱い湯気に包まれて、深緑の(緑濃い)新茶の深い香り、そしてさわやかな甘味と淡白な苦

   味、お茶を飲むとなんだかほっとします。ましてや越賀茶でとなるとなおさらです。

    でもよく考えてみると、私はいつも何かにせかされて、時代劇で見るような、縁側での落ち

   着いた飲み方とか、茶室で、時間と人生を確かめ、楽しむように、ゆったりした時間の中で

   お茶を飲んだ記憶がありません。

    日本には茶道という世界があり、それは世界に冠たる文化として広く人々に受け入れられ

   ています。

    そして茶道はもちろん禅でも、喫茶喫飯、時に随って過ぐ(心の澄んだ人は、食べたいから

   食べるのではなく、食は他の命を食むことだと知っていて、その飲み食いと言う仕草の中に、

   その人の生き方、人生の受け止め方が誠実にあらわれるものだ、だから無心に茶を飲み、

   無心に食をする)と茶にふれたり、茶の食感、甘味・苦味・渋味を人生になぞらえて、青春は

   甘く、中年は苦く、年を重ねて渋みがでる、とこんな形で、茶は幾重にも語られています。

    そこで今年はそんな事を思いながら、少し時間をかけて、初心に帰り、舌だけでなく心の

   ひだも使って、志摩町のお茶、越賀茶を楽しんでみたいと思います。

 

   6月 救命胴衣 

    町では学校における防災対策の一環として、各小学校と幼稚園にライフジャケットを防災

   用品として備える事になりました。

    これは近い未来、東南海地震による津波がこの地域を襲うことが予想されており、PTAか

   らもこれに備えた防災の要請があり、第一義的に子供たちを守るため各学校・各幼稚園に

   設置するものです。

    設置後は各学校で各幼稚園でライフジャケットを取り込んだ、地震・津波を想定した避難

   訓練を充実させ、被災時での移動するときの使用も含め、児童生徒の防災意識の高揚に

   努め学校や園での防災対策の確立を図っていきます。

    また第二義的には普段の学習の中で磯体験とか、白鳥小学校等が志摩町を訪れたとき

   などの交流学習などに多用して、ライフジャケットの実行効果を挙げていく予定です。

    どうか住民の皆様も、まわりの状況、避難場所、避難経路等などこの間お配りしました

   防災地図でも再確認しながら、災害初期には、取り急ぎ「自分の身と自分の家族は自分で

   守る」を原則に、防災知識を高めていただき、備えあれば憂いなしで、災害を最小限にとど

   める「防災から減災へ」へのご努力とご協力をお願いします。

 

  7月 エブリーワン

    これまでした事、考えた事の中で、自省の意味も込め、改めて行政組織について思う

   ことを語らせていただきます。

    市町村合併が議論される中、地域の振興、住民サービスの向上、そして、何より町の

   活性化を期するためには、住民のご努力はもとよりですが、行政が今まで以上に積極

   的に活性化することが大切です。

    そしてそのためには、住民の幸せと願いを核に、町長執行部、各課長が行政サービス

   のあり方と現況等について、話し合いと連携を密にとり、各課長が、住民福祉の向上、

   住民の幸せと願いを念頭に自分が町長の立場ならの思いで、それぞれの担当課でその

   職責を充分にまっとうする事が大切であります。

    もちろん責任の大本、政策の大本は町長にありますが、これまでどおり各課が確実に

   その部署での責任を果たすことはもちろん、さらに踏み込んで積極的に、もうひとつ何が

   できるかを探り提言する事が大事であります。

    城にたとえれば執行部は本丸で、それぞれの課は出城であります。出城での城主で

   ある課長が課員と共に、自己判断、自己決定、自己責任を拡大自覚し、各課長はじめ

   課員が町を愛する町長ならばどうするだろう、どうしたらの心持で、言うなれば各々が

   町長の分身のごとく行動することで、行政の活性化が進展するものと信じます。

    たとえれば一人より二人、二人より三人で、町を真剣に思う町長と心をひとつにする

   複数の課長、課員が、住民福祉を命題に懸命に働くことで町を良くして行くのです。

    政策立案のリーダーは町長ですが、立案企画への参画、実行についても、これから

   も町長オンリーワンから全課職員エブリーワンで行政を考えていきます。

 

   8月 祭り

    志摩郡五町の合併が、今現実に語られているとき、住民から合併したら町の祭りはどうな

   るんだろうと言う思いや問いかけを、耳にする機会があり、改めて町の祭りについて考えさ

   せられました。

    祭りは全く庶民的なもので、いまさら祭りの説明をと思いますが、あちこちの祭りに出かけ

   見て参加してよく考えると、それが、農山村で季節の折々に、自然の恵みへの感謝と豊作

   大漁を祈願しての庶民の素朴な祭りなのか、その発展形態の祭りなのか、宗教的教化と

   流布を目的とした信仰としての祭りなのか、またはそれらの混合体として祭りなのか、それ

   とも商業的色彩の強い、いわゆる商売人のイベントなのかわかりにくい事があります。

    そこで本来の祭りとは何なのか調べてみると、実に多様な議論があり一概には言えない

   のですが、基本的には歴史的に形作られたもので1・ご神体や様々なシンボルをかつぎお

   清めや独特のしきたりやルールを定め聖なる場所と時間をかもし出し2・非日常の時を共同

   体で過ごす事3・また地域全体で季節ごと、一年ごとに繰り返すことでそこに住む一員として

   の仲間意識や連帯感を育てると書いてあります。

    そしてイベントとは企画者の観点から見た客観的なもので企画した行事や催しとあります。

    そして今、町の中では、町の元気おこしと住民慰撫のため、これまでの町のまつりのあり

   方をながめ、また各地区での祭りの存続と振興に改めて着目と言及が及び、住民にとって

   これからの地区での祭りとは、町の祭りとは、イベントとはの、議論の中、再度言いますが、

   町の元気おこしのためこれまでの祭りのあり方と再構築、関わる組織の話、主催者の視点

   のあり方が、議論としてまな板にあがってきています。

    そして、それぞれに関わっていただいている方々の声、参加する住民の声、町外から参加

   してくれてる人の思いと感想、それらを聞かせていただいて、改めて町のそれぞれの祭りを

   見てみると祭りとイベントが分かれているもの、神事の祭りとイベントが混在したものがあり、

   それぞれに主催者・参加者ともに頑張っていただいておりますが、今志摩郡合併を控えた

   昨今、歴史と伝統に思いをはせていただきながら、すべて大切な祭りなんだが特に地域に

   残すべき祭りとは何だろう、祭りをとおした地域文化の継承と、伝統の保護、そして参加して

   楽しいこれからの祭りのあり方について、参加することも含めて、改めて皆様にも祭りにつ

   いて考えていただきたいと思います。

 

   9月 みよしと、とも

    船首の事をみよし、船尾の事をともと呼ぶのは皆様ご存知のとおりです。

    このコラムの題名も、私の町長という役目柄から、常に町の行く先を皆様と共に見つめ

   ていきたいとの思いから名づけました。

    そして平成12年からつづり始めて、はや約四年がたちました。

    そんな折、町のとある会議の席で出席のお一人からこんな言葉をいただきました「町長、

   みよしに立って前ばかり見ているのも結構だけど、周りはもちろん、時々ともにまわって

   後ろを振り返ることも、航跡を見つめなおすことも大事だよ」と言われまして、五町合併協

   議の中改めて、町の行政運営と経営について考えさせられました。

    私はこれまでもなすべき政治課題については、まず一番に町の今の姿と現状を把握す

   ることであり、それと同時にこれまでの町の歴史の流れを深学し、そして住民の今の声

   を聞くことで、その延長上に、町としてなすべき課題と施策が見えてくるものであると思

   っています。

    そしてその上でその見えた問題の解決と施策の実行に取り組むものであると思い、

   これまで諸施策を議会にお図りし、職員と共にやってきております。

    これからも、みよしに立っての心意気はもちろんですが、さらに全方位に心を砕きなが

   ら、町政進展と住民福祉にまい進していきたいと思っています、今後とも住民の皆様に

   は町政への更なるご支援とご協力をお願いします。

 

  11月 煎茶

    以前お茶のことを書きましたが、この間機会を得て、関西茶品評会と言う催しに参加さ

   せていただきました、そこで茶には、玉露からはじまり紅茶まで、そして私たちが普段飲

   んでいる煎茶を含めて14種類ある事をはじめて知りました。またこの会場では農林水産

   大臣賞を獲得した、評価満点の煎茶にも触れることができました。ちなみにこの普通煎

   茶は落札価格が1キロ約13万円でした。会場で覚えたにわか知識でこの茶を見ると、

   確かに揉みも丁寧で、一見砕けたシャープペンシルの芯状で、細くて丸みを持ち光沢も

   深く手触りも固く締まっていました。

    初めて目にする茶なので係りのいない事を幸いに、ほんの一つまみを口に含みかみ

   締めると、当然のごとくにあのお茶の香りがふくいくと口に広がり、のどの奥に何ともいえ

   ない甘みが感じられて、値段なのか会場の雰囲気なのか分かりませんがとても感心して

   しまいました。

    昔から、茶は養生の仙薬、延命の妙薬と言いますが、振り返って足元を見ますと、志摩

   町のお茶、私たちの越賀茶は、本当に味、香り、色も素晴らしいの一言ですが、今は生産

   量も少なく本当の地産地消に見えますが、今以上に生産量が増え、将来全国販売が展開

   される事があれば、この品評会でも遜色なく上位につけることは請け合いです。これから

   除夜の鐘を聞きながら飲むお茶、新年の挨拶のお茶も楽しみですが、何よりも来年の越賀

   茶がいまから本当に楽しみです。

 

 

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